Miyamoto Lab/

Miyamoto Lab.

Columnコラム

09 経験談はほどほどに
 「昔(自分の場合)はこうだった・・・」と若者を諭しても,
 真意や想いが伝わらない場合が多い。
 若者からすれば,押し付けに聞こえるからだ。
 そこに共感は生まれない。

 学生時代,ある教授の主張に「その認識を共有することはできない」と
 反論したことがある。
 「学生の分際で偉そうに・・・」と見下した教授の姿勢に,
 強い不快感を覚えたことは,今でもはっきりと覚えている。

 それ以後,その教授と言葉を交わさなかったが,
 二十数年たった今でも,間違ったことを言ったとは思わない。

 前の世代にとって「良い」とされてきたことが,
 十分に検証されないまま次の世代にただ押し付けるのは,奇怪な光景だ。
 そして,それを受け入れる若者の妙な素直さは,もっと奇怪だ。

 尤もも過ぎれば嘘になる。
 体験の絶対化は,ほどほど・・・で丁度良い。

The mind is not a vessel to be filled but a fire to be kindled.
知性とは,満たすべき器ではなく,燃やすべき炎である)

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