Columnコラム
「昔(自分の場合)はこうだった・・・」と若者を諭しても, 真意や想いが伝わらない場合が多い。 若者からすれば,押し付けに聞こえるからだ。 そこに共感は生まれない。 学生時代,ある教授の主張に「その認識を共有することはできない」と 反論したことがある。 「学生の分際で偉そうに・・・」と見下した教授の姿勢に, 強い不快感を覚えたことは,今でもはっきりと覚えている。 それ以後,その教授と言葉を交わさなかったが, 二十数年たった今でも,間違ったことを言ったとは思わない。 前の世代にとって「良い」とされてきたことが, 十分に検証されないまま次の世代にただ押し付けるのは,奇怪な光景だ。 そして,それを受け入れる若者の妙な素直さは,もっと奇怪だ。 尤もも過ぎれば嘘になる。 体験の絶対化は,ほどほど・・・で丁度良い。 The mind is not a vessel to be filled but a fire to be kindled. 知性とは,満たすべき器ではなく,燃やすべき炎である) |